癌（上皮系細胞由来）

猫は犬よりも皮膚や皮下織・腹壁に強い浸潤性を示し、リンパ節や遠隔転移をしやすいです。

特に猫は領域リンパ節（腋窩リンパ節）まで含めた切除が重要です。

※犬の「炎症性乳がん」は進行がとても早く、予後不良です（DICに要注意）。

口腔内扁平上皮癌は局所浸潤性が強く、骨溶解や出血・骨痛を伴い、食欲不振の原因となります。

早急な外科治療が重要です。

肛門嚢アポクリン腺癌は局所浸潤が強く、全身転移が早い「がん」です。

腫瘍増大（or 腰椎下リンパ節転移）にて排便困難にもなりますので、早急な治療が必要です。

※腫瘍随伴症候群である高カルシウム血症にも要注意です

本症例はお腹の中の巨大肝細胞癌（尾状葉尾状突起）が破裂し、お腹の中に出血が認められました。

過去の手術歴（褐色細胞腫）による癒着（※）剥離処理が大変でした。

※褐色細胞腫による術中高血圧→出血→周囲臓器への癒着

※ちなみに本症例のご家族様は有名な獣医の大先輩です

腫瘍の増大・浸潤や出血により全身状態がどんどん悪くなりますので、早期の治療が大切です。

胸腺腫の治療は腫瘍が小さい初期は外科治療が第一選択ですが、本症例のような進行症例（周囲への浸潤が強い）では放射線治療が適応となります。

また、「重症筋無力症」により巨大食道がおこると、誤嚥性肺炎が併発するリスクがあります。

※「重症筋無力症」は術後にも発生する事がありますので、要注意です

症状（※）が出てから発見されることが多い為、既にリンパ節転移や全身転移がある症例もいます。定期検査による早期発見が重要です。

※排便・排尿困難（前立腺癌）・てんかん発作（インスリノーマ）等